初めてメンズフィジークに出場した記録

2026年9月、初めてマッスルゲートのメンズフィジークに出場した。

結果から書いてしまうと、予選落ちだった。

「いつか出たい」と思いながら先延ばしにしてきた大会に、約17kg減量して出場した。準備から当日のこと、そして終わってから何を思ったのかを、忘れないうちに残しておく。

「いつか出たい」と思いながら、ずっと先延ばしにしていた

筋トレを始めてから、「いつかフィジークの大会に出てみたい」という気持ちはずっとあった。

でも、転勤があり、結婚し、子どもが生まれた。そのたびに「今はタイミングじゃない」と理由をつけて、ずるずる先延ばしにしてきた。

そんな間にも、自分より後からトレーニングを始めた人たちがどんどんコンテストデビューしていく。SNSでそういう姿を見るたび、なんとなく羨ましかった。

マッスルゲートなら、自分にも出場しやすそうだと感じていた。

じゃあ、もう出てみるか。

そう思ってエントリーした。申し込みを終えた瞬間に感じたのは、ワクワクというより「もう逃げられないな」だった。

4月から約17kgの減量

大会に向けた減量を始めたのは4月。スタート時の体重は82kgだった。

大会当日の朝には65.2kgまで落ちたので、約17kgの減量になった。これまでにも減量は何度もしてきたけれど、大会に出るためにここまで絞ったのは初めてだった。

朝起きたら体重を測り、ポージングをしながら身体を撮影する。それをほぼ毎日繰り返した。

少しずつ脂肪が落ち、今まで自分の身体では見たことがなかったカットが出てくるのは、純粋に嬉しかった。

減量開始時と大会直前の身体の比較
減量開始時と大会直前の比較。体重は減量開始時82kg、大会当日朝65.2kg。撮影条件・ポーズは異なります。

一方で、最後の方はやはりきつかった。空腹もあるし、疲労感も強い。トレーニングだけならまだしも、仕事、家事、趣味に使える体力まで明らかに減っていた気がする。

大会が近づけば近づくほど、「いよいよ楽しみだ」という気持ちになるのかと思っていた。

実際は逆だった。

1週間前くらいになると、一番近かった感情は「早く終わってほしい」だった。

ポージング、日焼け、カーボテストも初体験

大会に出るとなると、筋トレして痩せれば終わりではない。

ポージングの練習を始めたのは、大会の2か月くらい前だった。最初にやってみて思ったのは、外から見ているのと、自分で実際にやるのは全然違うということ。

力を入れればいいわけでもない。自分では広げているつもりなのに、動画で見ると全然違ったりする。

思っていた以上に難しかった。

サイドとバックのポージング練習
大会に向けたポージング練習。左がサイド、右がバック。

日焼けは大会の3か月ほど前から始め、2週間前くらいで終了した。

カーボアップもぶっつけ本番は怖かったので、大会1週間前に一度テストした。ライスケーキで炭水化物を増やしてみたものの、正直なところ、「めちゃくちゃ張った!」というような分かりやすい変化は、あまり自分では分からなかった。

それでも、本番で初めてやるよりはいい。初めての大会なので、できそうなことは一通り試しておくことにした。

大会直前の調整と、「早く終われ」と思った前日

大会1週間前には、目標にしていた体重はすでにクリアしていた。むしろ、「ちょっと落としすぎたかな」と思っていたくらいだった。

最終週もトレーニングはいつも通り続けながら、少しボリュームを落とした。食事は最後の3日間、カーボを増やした。

大会前日は、シルバーウィーク中だったので仕事は休みだった。これはかなりありがたかった。減量末期の状態で直前まで普通に仕事をしていたら、もっときつかったと思う。

とはいえ、家族の予定も詰まっていたので、一日中のんびり大会準備というわけでもなかった。空いた時間で荷物や食事を準備した。

前日の食事は、いつもの食事にライスケーキを追加してカーボを足した。当日も持っていく予定だったので、その練習も兼ねていた。

前日に鏡で身体を見た感想は、「まあ、こんなもんか」だった。

自分としては、もう少し筋肉が残ると思っていた。肩が平たいことも分かっていた。ただ、ここ最近はホームジムでBIG3中心のトレーニングになっていたので、ある程度仕方ないという気持ちもあった。

それでも、この時点では予選くらいは通るだろうと思っていた。

今考えると、なかなか恥ずかしい。

サーフパンツ、パンプアップ用の道具、食事。何度確認しても、「何か忘れてないかな」という不安は消えなかった。

家族の予定もあって、寝る時間は少し遅くなった。布団に入って考えていたのは、「早く寝なきゃ」と「早く終われ」だった。

当日3時45分。いつも通りの朝

大会当日の朝も、いつも通り3時45分に起きた。

睡眠時間は6時間ほど。決して長くはないけれど、減量末期はそもそも睡眠が浅くなっていたので、大会だからといって特別に長く寝ようとはしなかった。

起きた瞬間は、「いよいよだな」という感じだった。

体重は65.2kg。鏡でも身体を確認したが、予定通りで、特に崩れている感じもなかった。

朝一番の食事は、白米、牛肉、わらび餅。

いつもの朝活をする日のような時間に起きているのに、今日はこのあと初めてフィジークのステージに立つ。

少し不思議な朝だった。

初めての大会会場から、予選落ちまで

「めっちゃ人いるな」

忘れ物がないか不安になりながら、会場へ向かった。

到着して最初に思ったのは、「めっちゃ人いるな」だった。

受付を済ませても、自分の出番まではかなり時間がある。控室にマットを敷いて座り、しばらく休むことにした。

周囲を見ると、同じように寝転がってスマホを触っている選手も多い。大会の控室というと、もっとピリピリした空気を想像していたけれど、待ち時間は思った以上に普通だった。

近くには、初対面っぽい人にも次々に話しかけている人がいた。

陽キャすごい。

自分はほとんど誰とも話さず過ごした。

他の選手を「強そうだな」とはっきり感じたのは、コスチュームチェックのときだった。服を着ている状態とはやっぱり違う。周りを見ると、みんなしっかり仕上がっている。

少しずつ大会に来た実感が湧いてきた。

「あれ、なんかレベル高くね?」

会場入りする頃には、白米と牛肉、それからスニッカーズを食べた。その後は身体の様子を見ながらライスケーキ。飲み物は水や、粉のポカリを溶かしたものだった。

出番が近づき、プッシュアップバーやチューブを使って一通りパンプアップする。ただ、「あんまり張らないな」とは感じていた。

そして自分のカテゴリーが近づき、舞台袖へ移動した。

そこで前の階級の選手たちを見て、

「あれ、なんかレベル高くね?」

と思った。

予選くらいはいけると思っていたけれど、だんだん怪しくなってきた。

初めてフィジークのステージに立った

いよいよ自分たちの番が来て、ステージへ出た。

まず覚えているのは、照明がまぶしかったこと。審査員の姿は見える。ただ、観客の声が大きくて、アナウンスは思ったより聞き取りづらかった。

2か月ほどポージングを練習してきた。「こう立とう」「ここを意識しよう」と、頭ではいろいろ考えていたはずだった。

ところが、最初にフロントポーズを取った瞬間、

「あ、ちょっと飛んだな」

と思った。

完全に頭が真っ白になったわけではない。でも、練習中に意識していたことを全部そのまま再現できている感覚もなかった。

やっぱり練習と本番は違った。

比較審査、そして予選落ち

比較審査が始まった。最初の比較に自分の番号は呼ばれなかった。

この時点で、「厳しいかな」と思った。それでもまだ、「次に呼ばれれば……」とは思っていた。

しかし、次にも呼ばれなかった。

希望は一瞬で打ち砕かれた。

結局、比較で呼ばれたのは最後の方だった。

半年近く減量して、毎朝身体を確認して、ポージングも練習して、日焼けして、食事も調整して。それでも、ステージを降りた時点で「ダメだったな」と思った。

正式に結果を知ったのは控室だった。アナウンスで予選通過者が発表され、自分の番号はなかった。

予選落ち。

もちろん悔しかった。でも同時に、「まあ、そうだよな」とも思った。

実際に同じステージで他の選手と並んでみれば、自分がどのくらいなのかはなんとなく分かる。

配信映像を見返して気づいた身体やポージングの課題は、note「長く減量して、初コンテストに出て、普通に予選で落ちた」にまとめた。

帰宅して、家のカレーを食い尽くした

大会が終わり、家に帰って家族と大会の話をした。

子どもから、「がんばってたね」と言われた。

これは嬉しかった。

予選通過はできなかったけれど、ここ数か月、自分なりに大会へ向けて生活していたことは家族も見ていた。

大会後、最初に食べたのは、家に残っていたカレーだった。残っていた分を全部食い尽くした。

約17kgの減量は、家のカレーで終わった。

予選落ちした翌日に思っていること

「予選落ちしたけれど、最高の経験だった。また次も頑張りたい」と書ければ、話としては綺麗なのかもしれない。

でも、大会翌日の自分はそこまで綺麗には思っていない。

悔しい。もっとやれた部分もあったと思う。

一方で、減量末期には空腹や疲労で、仕事や家事、趣味に使える体力まで減っていた。そこまで含めて考えると、「もうやらないかな」というのが、今の率直な気持ちでもある。

もちろん、数か月後には違うことを言っているかもしれない。それは自分でも分からない。

ただ、少なくとも「いつか出てみたい」と言い続けている状態からは抜け出すことができた。

そのことだけは、出場してよかったと思っている。

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