【体験談】田中渓さんも実践するTIスイムとは?50mで息切れした私が習って感じた変化

田中渓さんのXを見ていて、懐かしい言葉を見つけました。「TIスイム」です。

田中渓さんは、以前は25m泳ぐだけで息が切れていたところ、TIスイムを教わったことで1000mを泳げるようになり、その後2週間ほどで5000mまで泳げるようになったと発信しています。

楽に無限に泳ぐようになるために、TIスイムという泳ぎ方を身につけました。

それまでは、25m泳いだら息が切れて、全く動けなかったところ、これを30分くらい教わったところ

すぐに1000m泳げるようになり、2週間で5000mいけるようになりました

昔ながらの小学校式で泳いだのを見てもらって…— 田中渓 (@KeiTanaka_Radio) July 23, 2025

5000m。……いや、普通にすごすぎる(笑)。

というのも、実は私も10年ほど前にTIスイムを習っていたことがあります。当時はフィットネスクラブで働いていて、筋トレも今以上にやり込んでいました。ところが、水泳になると50m泳ぐだけでゼェゼェ。子どもの頃は100mくらい全力で泳いでも平気だった記憶があるのに、大人になって同じ感覚で泳いでみると全然ダメでした。

そんな私が、トライアスロンへの挑戦を考えたことをきっかけに習い始めたのがTIスイムです。

結果として、田中渓さんのように何千m泳げるようになった……なんてことはありません。それでも、50mで息が上がっていた状態から、50m程度ならほとんど息を乱さず泳げるくらいには変わりました。

この記事では、

  • TIスイムとはどんな泳ぎ方なのか
  • 私が実際に習って印象に残っていること
  • 50mで息切れしていた私がどう変わったのか
  • 筋トレをかなりしている人間が泳いで感じたこと
  • TIスイムは現在どうなっているのか
  • 田中渓さんの「2週間で5000m」を経験者としてどう思うか

について、10年ほど前の体験を振り返りながら書いてみます。

なお、私がTIスイムを習っていたのは2016年頃です。現在の指導内容とは異なる部分がある可能性がありますので、「当時実際に習った人間の体験談」として読んでもらえればと思います。

田中渓さんも実践する「TIスイム」とは?

TIスイムの「TI」は、Total Immersion(トータル・イマージョン)の略です。

ざっくり言ってしまえば、力任せに水を掻いて進むというよりも、水の抵抗を減らし、身体のバランスや姿勢を整えることで、効率よく泳ぐことを重視する考え方です。速さだけを追求するというより、「楽に泳ぐ」「長く泳ぐ」「効率よく泳ぐ」という目的との相性がいい泳ぎ方だと思います。

実際、Total Immersionの海外公式サイトでも、効率的な泳ぎ方を学ぶことや、より長い距離を泳ぐこと、オープンウォーターやトライアスロンへの挑戦などが目的として挙げられています。私がTIスイムを知ったのも、まさにトライアスロンがきっかけでした。

TIスイムは現在「イージー・スイミング」?名称について

この記事を書くにあたって調べてみたところ、私が習っていた頃とは現在の名称が変わっていました。

私が習っていた2016年頃は、普通に「TIスイム」「トータル・イマージョン」と呼ばれていた記憶があります。その後、日本でTIスイムを展開していた株式会社トータル・イマージョンは、2019年に「株式会社イージー・スイミング」へ商号変更しています。

現在の日本公式サイトでは、「イージー・スイミング」という名称で、大人がラクに、長く、きれいに泳ぐためのレッスンなどが提供されています。一方で、海外では現在もTotal Immersion、TIという名称が使われています。

つまり、「TIスイムという名称が世界的になくなって、すべてイージー・スイミングになった」というわけではなさそうです。

また、現在のイージー・スイミングは長年の指導経験をもとに内容もアップデートされているようなので、私が2016年頃に習ったTIスイムと、現在のイージー・スイミングの指導内容が完全に同じとも限りません。

この記事では、私が実際に習っていた当時の体験については「TIスイム」という名称で統一して書いていきます。

私がTIスイムを習ったきっかけはトライアスロンだった

TIスイムを習っていたのは2016年頃。今から約10年前の話です。

当時、トライアスロンに挑戦してみたいと思っていました。結局トライアスロンへの挑戦自体は断念してしまったのですが(笑)、その準備として通っていたトライアスロン系のスクールでTIスイムを教えてもらっていました。

記憶では隔週くらいのペース。1年間は通っていなかったと思います。今振り返るとそこまで長期間習っていたわけではありませんが、それでも泳ぎ方に対する考え方はかなり変わりました。

なぜなら、当時の私はとにかく泳ぐのがしんどかったからです。

筋トレはできるのに、50m泳ぐだけでゼェゼェだった

当時の私はフィットネスクラブ勤務。筋トレはかなりやっていました。今と同じく、「運動していない人」では全くありません。むしろ体力にはそれなりに自信がありました。

ところがプールに入ると、その自信は簡単に打ち砕かれます。50m泳ぐだけで「ハァ、ハァ……」と普通に息が上がる。これが結構ショックでした。

というのも、子どもの頃は100mくらい全力で泳いでも、ここまで苦しかった記憶がなかったからです。泳ぎ方なんて昔と大して変わらないだろうと思っていたのですが、全然違いました。

当時は筋トレで脚の筋量もかなり増えていたので、自分の感覚としては、とにかく脚が重くて沈みやすかった。沈む身体を無理やり腕と脚で前に進めようとする。だから力を使う。そしてすぐ疲れる。

今振り返ると、かなり非効率な泳ぎ方をしていたのだと思います。そこで習ったTIスイムは、それまで自分が持っていた「クロール」のイメージとはかなり違うものでした。

実際に習って印象に残っているTIスイムの4つのポイント

10年前なので、さすがにレッスン内容を細かくすべて覚えているわけではありません。ただ、現在も泳ぐときに意識するくらい記憶に残っているポイントがいくつかあります。

1.まず覚えたのが「スケーティング」

一番覚えているのが「スケーティング」です。水の抵抗をできるだけ減らしながら、身体を伸ばして進んでいくような感覚を身につける練習でした。

それまでの私は、「泳ぐ=手と脚をいっぱい動かす」くらいにしか考えていませんでした。ところがTIスイムでは、その前に「どういう姿勢なら水の抵抗を受けにくいのか」をかなり意識します。

水泳なのに、まず頑張って水を掻くのではない。ここからすでに、自分が知っていたクロールとは全然違いました。

2.「腕で頑張って水を掻かない」のが衝撃だった

個人的に一番衝撃だったのがこれです。当時教わったときの私の感覚をそのまま表現すると、「プルをしないの?」と思うくらい、腕で力いっぱい水を掻くことを重視しませんでした。

もちろん、実際に腕を全く使わないという意味ではありません。ただ、少なくとも当時の私が持っていた「腕の力で水を後ろに押せば、その分速く進む」というイメージとは全く違いました。

筋トレばかりやっていた自分としては、かなり逆説的です。筋力があるのだから、それを使った方が進むだろう。そう考えてしまいます。

でも水の中では、力を出すことよりも、その前に「抵抗を減らすこと」の方が重要なのだと体感しました。

3.手を思っていたより下方向に入れる

これもかなり苦戦した記憶があります。入水した手を、自分が思っていたよりも下方向へ伸ばすように教わりました。

最初はこれがなかなかできない。自分では下に入れているつもりでも、コーチから見るとまだ高い。何度も修正された記憶があります。

腕の位置や身体のバランスが変わることで、脚が沈みにくい姿勢を作っていく。今思い出しても、水泳というより「水の上で身体のバランスを取る練習」をしているような感覚でした。

4.一番変わったのは「重心を前にする」感覚

そして、一番「泳ぐのが楽になった」と感じたのが重心です。それまでの自分は、脚が沈むから一生懸命キックする。疲れる。さらにフォームが崩れる。という状態だったと思います。

TIスイムを習ってからは、身体の前の方へ重心を預けるような感覚を意識するようになりました。すると、沈みがちだった下半身が少し浮き、身体全体が水面近くに乗るような感覚が出てきました。

この「前に乗る」感覚は、10年ほど経った今でも泳ぐときに意識しています。TIスイムで私の泳ぎが変わった一番大きなポイントは、個人的にはここだったと思います。

TIスイムを習った結果、50mでは息が上がらなくなった

では、TIスイムを習ってどれくらい泳げるようになったのか。ここは盛らずに書きます。

田中渓さんのように、1000m、5000mと一気に距離が伸びたわけではありません(笑)。ただ、それまで50m泳ぐだけでゼェゼェしていたのが、50m程度ならほとんど息が上がらずに泳げるようになりました。

数字だけ見ると地味かもしれません。でも自分にとっては大きな違いでした。

泳ぐという行為が、「50mを何とか泳ぎ切る運動」から「力まずに水の上を進んでいく運動」に変わった感覚があります。

単純に心肺機能が急激に向上したわけではありません。泳ぎ方を変えることで、同じ50mでも使う体力がかなり変わったのだと思います。これが私がTIスイムを習って一番実感した「効果」です。

筋トレ民でもTIスイムなら楽に泳げる?

筋トレをしている人間として、個人的に面白かったエピソードがあります。

当時、トライアスロンのレースへの出場を考え始めた頃、コーチとスイムスーツの話になりました。「スイムスーツを着れば浮力も得られる」そんな話をしている流れで、コーチから「でも、これ以上筋肉はつけないでください!」と言われたことがあります。

もちろん冗談交じりです。ただ、当時の自分は脚も含めてかなり筋トレをしていて、水の中では下半身の重さを感じていました。

現在もその感覚はあります。私も朝起きてすぐ20km程度走ることはできます。それなりにスタミナもあるつもりです。でも、「じゃあ今から1000m泳いでください」と言われると、正直あまり自信がありません(笑)。

20km走れる心肺能力があるからといって、同じように長く泳げるとは限らない。水泳には水泳の技術が必要なんだと改めて感じます。

だからこそ、力や体力だけでなく、効率よく進むことを重視するTIスイムは、当時の自分にはかなり相性がよかったのだと思います。

田中渓さんの「2週間で5000m」は経験者から見てもすごい

ここまで私の体験を書いたうえで、改めて田中渓さんの話に戻ります。

TIスイムを30分ほど教わって1000m。さらに2週間で5000m。TIスイムを習ったことがある自分から見ても、いや、さすがにすごいです(笑)。

もちろん、TIスイムを習うことで、それまでより泳ぐのが急に楽になる感覚自体は分かります。私自身がそうでした。「力任せに泳がなくてもいいんだ」と分かったことで、50mを泳ぐ負担はかなり減りました。

なので、田中渓さんがTIスイムをきっかけに一気に泳げる距離を伸ばしたという話には納得感があります。

ただし、「TIスイムを習えば誰でも2週間で5000m泳げる」と思うのはさすがに危険だと思います(笑)。少なくとも私はそこまでいけませんでした。

今の自分でも1000mを楽に泳げるかと言われると、かなり怪しい。田中渓さん本人の体力や運動習慣、習得能力などもあってこその5000mだと思います。

TIスイムはこんな人に向いていると思う

実際に習った経験から考えると、TIスイムは特にこんな人と相性がいいと思います。

  • クロールで25〜50m泳ぐだけですぐ疲れる人
  • 泳ぐと必要以上に力んでしまう人
  • 速さより「楽に長く泳ぐ」ことを目指したい人
  • トライアスロンやオープンウォーターに興味がある人
  • ランニング以外の有酸素運動を探している人

個人的には、「有酸素運動をしたいけれど、ランニングはあまり好きじゃない」という人にも水泳はかなり面白い選択肢だと思っています。水の中なので、ランニングとはまた違った感覚で身体を動かせます。

一方で、私のように陸上ではそれなりに体力がある人でも、泳ぎ方が非効率だと簡単に疲れます。水泳が苦手だから体力がない、と決めつける前に、泳ぎ方を見直してみる価値はあると思います。

10年経った今でもTIスイムの感覚は残っている

TIスイムを習ってから約10年。今でもたまに自分で泳ぐことがあります。

とはいえ、現在は筋トレの方が優先順位が高いので、水泳はかなり少なくなっています。昔のように頻繁に泳いでいるわけでもありませんし、長い距離を泳げるわけでもありません。

それでも、スケーティング、重心を前にする感覚、無駄に腕の力で進もうとしないこと。こういった当時教わった感覚は、今でも身体のどこかに残っています。

水泳からしばらく離れていても、プールに入ると思い出す。そう考えると、短い期間ではありましたが、習っておいてよかったと思います。

問題は別のところにあります。

私は現在、朝3時45分に起きてトレーニングする生活をしています。その結果、泳げる場所がありません(笑)。

筋トレならホームジムがあるので、早朝でも好きな時間にできます。ランニングなら外に出ればいい。しかし水泳だけはプールが必要です。

3時台や4時台から泳げる場所なんて、なかなかありません。早起きを極めた結果、水泳から遠ざかることになるとは思いませんでした。

田中渓さんには及ばないけど、もう一度1000mを目指してみたい

この記事を書くために10年前の記憶を掘り起こしていたら、久しぶりにちゃんと泳ぎたくなってきました。

田中渓さんのように何千mの距離を泳ぐのは、今の自分からするとかなり遠いです。まずは1000m。それも必死に泳ぎ切る1000mではなく、TIスイムで教わったことを思い出しながら、ゆっくり楽に1000m泳げる状態を目指してみたい。

フィジークとの両立もありますし、今以上に筋肉を減らすつもりもありません(笑)。筋トレを続けながら、どこまで楽に泳げるようになるのか。これはこれで面白そうです。

まず最初の課題は、泳ぎ方でも体力でもなく、朝から泳げるプールを探すことですが(笑)。

いい環境が見つかれば、10年ぶりの「TIスイムで1000mチャレンジ」もやってみたいと思います。

まとめ|50mで息切れしていた私にはTIスイムが合っていた

50mでゼェゼェしていた私でも、TIスイムを習ったことで50mならほとんど息を乱さず泳げるようになりました。田中渓さんの5000mには到底届きませんが(笑)、「泳ぐ=しんどい」という感覚を変えてくれた泳ぎ方です。

私自身も、久しぶりに1000mを楽に泳げる状態を目指してみたいと思います。まずは早朝に泳げる場所探しからですね(笑)。

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